貴景勝関引退

スポーツ
大相撲の元大関、貴景勝関引退のニュースを知ったのは会社帰りの車の中。
正直、驚きよりも安堵しました。
ここ数年、怪我を繰り返し満身創痍で闘う姿を見て来たから
もう恐怖と闘わなくていいんだ、と。

貴景勝関は小さな体で大きな相手に弾けるようにぶつかります。
小細工せず突き押しだけに徹した真っ直ぐな力士。
いついかなる時も協会の看板を背負い、満身創痍で闘ってきました。

元貴乃花部屋で厳しい稽古を続け、千賀ノ浦部屋(現常盤山部屋)に転籍後大関昇進。
しかし、昇進後の場所に右膝関節内側側副靱帯損傷で途中休場。
その後も頸椎椎間板ヘルニアによる神経症など首や膝の怪我に度々悩まされてきました。

頸椎の怪我は悪化すると呼吸ができなくなり命に関わることもあります。
相撲のような大きな身体同士がぶつかり合い首に負担のかかる競技など以ての外です。
私は1ファンとして、貴景勝関の身体が本当に心配でした。

大関昇進後に家族を持った貴景勝関。
可愛らしい男の子にも恵まれ、ますます頑張りたいという気持ちになったことでしょう。
だけど私は勝手ながら

自分自身の健康のために、そして何より家族のためにもう無茶しないでとずっと思っていました。

いつも荒い息づかいで花道を入場する姿、苦しいだろうに。
もう良いよ、と涙が出そうになった事も。
それでも責任感の強い貴景勝関は、コロナ禍の中、横綱不在の場所にも一人大関として土俵に上がり続けました。

大胸筋損傷時の左肩に無数に広がる青痣。
傍目から見ても出れる状況ではないのに「全然大丈夫です」と土俵に上がり続けた姿、
弱音ひとつ吐かなかった姿。
思い出すと今も泣けてきます。

長く苦しい戦いでしたね。
明日記者会見されるそうです。
しばらく身体を休め、今後は湊川親方として魅力ある力士を育成して下さい。
28歳の決断を尊重し、新しいスタートに心からエールを送ります。
本当にお疲れ様でした。
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